空気さなぎは盲目山羊の夢をみるか その2 ~『1Q84』村上春樹~

今日はドラクエIXの発売日。

予約しそこなってなんとなく落ちこぼれ気分になってそのまま。

最近、発売前まで買う気満々だたtのに、なんとなく買う時期逸して…

てのが多い気がする。トレンドの波に乗りそこない。

年齢のせいもあるけど、入院やら手術やらするとやはり、

気力も萎えるんでしょうな。目がシャキのんで頑張ろう。

さて、日経新聞朝刊に『1Q84』の書評キター。

曰く、「孤独救う小さな愛に希望」と。

コミュニケーション不全の状況にある、青豆と天吾の感覚が、

象徴的に描かれることで、

「読者は、『私たちのことをわかってくれている』と

安心する、だから癒される」と、

東京工業大学教授の橋爪大三郎氏。

そんな二人が、小学校時代にたった一度手をつなぐ、

その思い出だけを二人はオトナになっても抱き続け、

心の支えにする。

「どんな小さなことも希望になる。

それは世界のさまざまな国の読者に届く深いメッセージだと

思う」と、評論家の加藤典洋氏。

ふう~む。

物語の核は、これなのか?

ふかえりの空気さなぎも、

ふかえりの親父やらカルト教団「さきがけ」やら、

青豆の仕事とか、そんなものは皆、

このささやかな愛と希望を語るための道具立てに

すぎないのか?

それにしてはあんまりにも、殺伐すぎやしないか?

と思ったらどうやら同じような意見の人もいるようで、

評論家の東浩紀氏は。

「今回は新しさが感じられない。

カルトの問題と向かいうにしてもオウム真理教以前の

古いイメージにとどまっている」と。

作家の小野正嗣氏は『1Q84』の文体を

「わかりやすい言葉で、多くの人に理解されうる物語を

構築してみせる。読みやすさを保ちながら、緩みはしない見事な

文体」と評価しながら、

「性的虐待や暴力などの問題はもっと深く

掘り下げられる余地がある」という。

そうなんだよね。

語られる問題が、

主人公ふたりの物語を支えるサブ・ストーリーにしては、

あまりにも深刻で、

あまりにも独特すぎて屹立しすぎてる。

というところに、どうも違和感がある。

天吾がふかえりとひとつになる場面だってなぁ。

どうもひとつひとつのエピソードが、

そぐわない。

主人公たちが冷静すぎる、

イヤー多分、それなりに悲しんだり、あせったりしているよう

なんだけど、それは言葉で説明されているだけで、

どうもあまり伝わってこないんだよな…。

もともと青豆も天吾も、

自己抑制ができるタイプみたいだから、

それはそれなりに理由のあることか。

たぶん、泣いたり、怒ったりの激しい感情を

登場人物自身に語らせずに、

作家の説明ですましちまってるからだろうな。

だから、ルサンチマンが感じられない。

それに主人公ふたりとも、いわば、

親に捨てられたも同然の育ち方しているのに、

衣、食、住の習慣は、

辛抱強くしつけられた、良い家庭の子ども

そのままなんだよな。

こぎれいで、整然としていて。

ま、新興宗教の家庭で

育てられた青豆はともあれ、

天吾はなぁ。

あの生まれ育ちで、ああいうキャラクターの

人間になるというところが、

どうも納得がいかない。しかも、

女性に不自由することがなかったようだし。

この辺は、カフカ君も同じだが。

などということを、

だらだら考えながら一日を過ごし、

冷酒を飲みながらFM『Suntory Saturday

Waiting Bar AVANTI』を聞いていたら、またまた

『1Q84』の話題。

途中から聞き出したので、最初のお客さんは

誰だかわからなかったが、

「村上春樹はマンガ・アニメ的。だから匿名的でグローバル。

マンガやアニメに

多大な影響を与えている」ということを言っていたと

思う。

確かに、『1Q84』に出てくる新宿も高円寺南も良く知ってるし、

新宿紀伊国屋みたいに実在の店も出てくるんだけど

(ちなみに上巻はまさに、その紀伊国屋で買った。

入手困難といわれていた時期なのに。

名前が出ているから、特別たくさん仕入れさせて

もらったのか)全然そんな雰囲気、

なかった。

だが、マンガやアニメに影響を与えているんじゃなくて、

影響を受けたんじゃないか。

一番思い当たるのは、大島弓子。

武蔵野郵便局気付、だよ。

吉祥寺派、ってのがあるのかもしれない。

それから、

やっぱり気になっていた、二つの月がある世界の

謎について、書評家の大森望氏は、

「わかんなきゃ、わかんなくていい」

なんだそうだ。

だってつまんないから。というのがその理由。

『エヴァンゲリオン』の前作だって、謎だらけだったから

人気がでたからだとか。

おいおい、それでいいのか。

作家はちゃんと、仕掛けた罠は始末してもらわないと。

たまたま村上春樹は人気作家だし、

エヴァも当たったからいいけど、

今後そんなのばっかりだったら、こっちは、

永遠にフラストレーションから解放されない…

ひょっとしたら、今はそれでも良いのかな。

読者が勝手に、自分なりに頭の中で、

自分だけの折り合いを付ける。

二次創作してください、と、

いわんばかりだな。

と思いながら届いた日経夕刊を開くと、

『海辺のカフカ』ゆかりの土地、高松の記事。

まったく、今日は朝から村上春樹だらけ。

だからドラクエⅨの発売日なんだってば。

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成り下がりの美学    ~NHK大河ドラマ『天地人』~

もう一度、天地人のこと。

先日来の上杉家上洛編を見るにつけつくづく思うのは、

このドラマは成り下がりの美学を見せてるってこと。

世の中の状況が変わり、価値観やら自分の立ち居地やらも

激変した時、どうやって生きていくか。

兼続がやったのは、パラダイムシフト。

それまでの戦中心の無骨一辺倒から、「愛」これです!

そうすれば、力で負けてても負けたと思わなくてすむ。

権力者の秀吉にも周りにも、一目置かれるしね。

他のバサラ大名もだいたい、似たような思いだったんじゃ

ないかな。

現在の日本も、中国をはじめアジア各国の追い上げを受けて、

なかなか厳しいところに差し掛かってるし。

せめては美しく、成り下がっていきましょう。

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権力の座は蜜の味   ~NHK大河ドラマ「天地人」

何のかんのいって、最近なんだか面白い天地人。

秀吉がほぼ天下を手中におさめ、

戦闘シーンが少なくなってから面白くなるというのが、

ミソかな。

まぁ直江兼続は戦より折衝で名を上げた人みたいだから、

本領発揮はこれから、というところか。

しかし、今回の秀吉の老醜ぶり、悪辣ぶりはすごいね。

公家の真似をして薄化粧なんてして。

太閤になるまではすごかったのだが、

取ったあとがなぁ…。太閤検地とか、京都や博多の整備とか、

いいこともやってるけど、悪いことも多くて。

だいたい人は、トップに上り詰めるまでは謙虚にもなるし、

それなりに知恵をめぐらせる。一生懸命さで人を感動させたりも

するけれど。本当に大変なのは、権力とったあとなんだよね。

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空気さなぎは盲目山羊の夢をみるか   ~『1Q84』村上春樹~

『1Q84』読了。

本当はもっと早く読み終えることができたと思うのだが、

なんとなく数日、ほうっておいた。

やはりこの作家の作品は、どうも納得がいかないことが多い。

今回も、思わせぶりな謎の言葉と伏線じみた設定を、

ちりばめるだけちりばめて、ちっとも回収しないまま終わった。

前半から中盤にかけては良いのだ。

全然接点のないところで登場した主人公たちが、

運命の意図に絡み取られるみたいに、

どんどん引き寄せられていく。そこんところは良かったのだが。

ふかえりが失踪したあたりから、急に流れが悪くなったような気がする。

そしてあのラストは。

救済じみた含みは持たせているけれど。

それでもなで読んでしまうかといえば、

キャラクターそれぞれの個人生活は、えらく調和がとれていて

心地よいから。

贅沢はできないにしても、

食うにも着るにも困らず、部屋を整えるすべを知り

目立たなくても快適に暮らしている。

若くして隠遁生活に入ったみたいで、

それでいて、何かやりたいと思えば、

やるだけの才能も金も供えている。

ただ、その気がないだけ。

正直、ひどく羨ましい。

そして主人公は

大してハンサムでもなく努力もせずして、

不思議に異性に苦労しない。ああなんて都合の良い。

それなりに苦悩は抱えているのだが、

ちっとも苦悩に見えない。清潔で静謐で恐ろしくゆがんでいる人生。

そのゆがみに引かれるというか、憧れる自分がいる。

だからといって、主人公の飲み物、食べ物、音楽の趣味を真似しようとは

全く思わないけどね。

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上半期視聴率一位!……だけど   ~NHK大河ドラマ『天地人』~

NHK大河ドラマ『天地人』が、

2009年度上半期、視聴率NO1になったとのこと。

そりゃめでたい!

http://backnumber.dailynews.yahoo.co.jp/?m=240052&c=entertainment

が、ソースを見るとこの視聴率、1月25日(4回目)らしいんだよね。

http://contents.oricon.co.jp/news/67286.html

まだ子ども時代の余韻が、覚めやらぬ頃じゃ

ないだろうか。

でもまあ何にしろ、その後半年の間に、26%を超える番組が

なかったのは確かなこと。今は一体どのくらいかな。

何だかんだ言っても、週間チャート二位くらいはキープ

しているので、20%前後はあるのだと思う。

実際、秀吉に会うため上洛したあたりから、

ちょっと面白くなった。

歴代秀吉の中でも際つ俗っぽさは、

兼続の清廉さを際立たせるためかな。

まー男に清廉と言っても褒めことばには

ならないかもしれないが。

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夢うつつのコンフェデ杯

土曜早朝も見損なったコンフェデ杯。

今朝早く、夢うつつでテレビをつけた、ような気がしたら、

ブラジルがアメリカに0-2で負けていた。ウソだろう。

悪夢だと思ってトイレにいってよく見たら、やっぱり負けていた。

他はともかく、サッカーでブラジルがアメリカに負けるなんて。

そこでまた、寝てしまった。

どうも入院して以来、体力が落ちてるような気がする。

再び目が覚めたら、優勝しているじゃん、ブラジル。

きっとハーフタイムに、ドゥンガが吼えまくったに違いない。

しかし、アメリカ合衆国がサッカーでブラジルと対等に戦うなんてね。

世の中変わったもんだ。

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科学と宗教  ~天使と悪魔~

遅ればせながら、トム・ハンクス主演『天使と悪魔』を観てきた。

前作『ダビンチ・コード』が微妙だったため、ちょっとぐずっていたのだが、

結果的には観にいって良かった。もっと早く観にいってれば、良かった。

前作は、カトリックの教義にダイレクトに関係する話題だったから、

キリスト教圏では反発を喰らい、宗教心の薄い日本では、

いまいち乗りが良くなく、という印象だったが。

近作は、サスペンス・アクションとして、非常に良くできていた。

展開もスピーディで、息をもつかせぬほど、

というか、全部を観たあとちょっと冷静になって考えてみると、

深く考えたり、突っ込んだりする間をあたえないために、

目まぐるしい展開にしたのではないかと。

しかし、上映中ずっと画面に釘付けにされる映画は、

久しぶりだったような気がする。

宗教に弾圧された科学者の流れを引く陰謀団が、

最先端科学で宗教に復讐するってアイデアは、

結構危なそうだけど、前作ほど深刻なものではなかったらしい。

サン・ピエトロ大聖堂からシスティーナ礼拝堂からもう、

バチカンはロケ地提供大盤振る舞い。

前作で、バチカンに嫌われたラングドン博士が、

今回はそのバチカン警察からの要請でローマに

乗り込んでいくのだから…。

爆発物がわりに反物質、ってのも面白かったけど、

実際反物質がそのような用途で使われることはないし、

映画に出てくるだけの量を確保するのはもう、気が遠くなるほど

長い時間がかかるとか→(物理学者とともに読む『天使と悪魔』の虚と実 50のポイント

東京大学教授 早野龍五)

あくまでも、エンターテインメントということで。

ちなみに、原作は読まずにいったが、それでも十分楽しめた。

今度は読んでまた観に行こう。

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予想はしていたが…    ~サッカーW杯最終予選 対オーストラリア~

先制点を取った時まではイケイケだった。

が、取った時間帯が悪すぎた。

前半の真ん中頃。守り切るには時間がありすぎる。

オーストラリアはハーフで、たっぷりヤキ入れられるだろうし。

後半で二点入れられて、結局逆転負け。

一点入れた時から、ずっとこんな結果を

予測していたんだけど。

あ~あ、なんでかなぁ。

やっぱり、確実に得点できる、って安心感、信頼感が

ないからだろうな。

まだまだ、課題は多すぎだ。

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小説家の仕事     ~村上春樹『1Q84』~

今日、新宿の紀伊國屋書店で、

今話題の『1Q84』の上巻を発見。

ネット書店で、予約しようかどうしようか迷っているうちに発売日が来て、

あれよあれよという間にベストセラー、入手困難になった。

先日、丸の内OAZOの丸善に行った時も、

下巻しかみつからなかった。

ハードカバーは電車内で立ち読みしにくいから、

できるだけ買いたくないけれど、文庫本出るまで待ちたくなかったので、

即購入……上巻だけ。

村上春樹は好きな作家か、かと問われれば、

実はさして好きではない。だけど、新作が出れば、

やっぱり気になるし、読みたくなる。

こんなんだから、ベストセラーになるんだろうな。

無論、出る作品は初版買いする熱心なファンが、

たくさんいる人だから、出せば必ず売れる。

さらに、話題になったからって買う人もいるし、

自分みたいになんとなく買っちゃう層もいるわけだから。

なぜ好きでもないのに買って読むか、といわれれば、

一言で言えば、自分には想像もできないストーリーを書くから。

好きだと思う作家は大抵、

「(才能があったら)自分でも書けるな」というか、

「書いてみたい」物語を書いてくれる。

だからこそ「好きだ」と確信できるわけだけど。

村上春樹の場合は、予測もつかない。

自分には、絶対に思いつかないような人物、設定、

ストーリー展開を持ってこられるから、

正直、困ってしまうこともある。『海辺のカフカ』なんかはそう。

登場人物は皆端正で人好きがする連中なのだが、

なぜだろう。どっか何かねじれていて。

絶対に自分には思いつかないキャラクターたちの、

とんでもない物語だから、勢い、

読んでいて何だか居心地悪いし、読後にざらついたものが残る。

自分には絶対書けないし、書きたいとも思わない。

だから決して「好き」とはいえないのだが、

それでも新作が出れば気になるし、読みたくなる。

そういう、曖昧読者まで引き込んでしまうのだから、

これぞプロの小説家、といえるのかもしれない。

新作『1Q84』も、まだ序盤だけれど、

期待を裏切らずに登場人物はどこかゆがんでるし、

あっけに取られる展開が待っている。

事前に内容が一切公表されなかった理由も、

なんとなくわかる気がする。

ひょっとしたらハルキは、

イスラエル賞の授賞式スピーチと同じようなことを、

日本国内でやろうとしているのかもしれない。

まだ確信はもてないけどね。

ところで、「1Q84(イチキュウハチヨン)(」を、「アイキュー84」と読んだのは、

自分だけではないだろう。

「アイキュー84」って…

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ブランド好きの原点 “京”   ~大河ドラマ『天地人』 戸惑いの上洛~

毀誉褒貶相半ばする『天地人』。

脚本の他にも、斬新(すぎる)演出とか過剰なBGMとか、

評価が分かれるところは山ほどあるのだが、

個人的に手放しで絶賛したいのは衣装。

13日の「戸惑いの上洛」は、太閤秀吉の権勢に景勝一行が

圧倒される筋書きだったためか、特にすごかった。

木村佳乃扮するおりょうが身に着けていた、

金糸の刺繍がある小袖などはもう、

大型ハイビジョンで観ればさぞかし美しかろう。

千年の都、京や太閤のお膝元大坂だけに、

さすがに身に着けているものは違うし、振る舞いも違う。

都の文化にあこがれるのは古今東西変わりないが、

京の都は何しろ千年の(当時は七〇〇年?)の都。

おまけに王朝交代がないから、

天皇家とその取り巻きの権威は絶大。

ついでに、権威はあるけど権力がないから、

権力者に“位を授け”て自らを高く保とうとする。

こういうとき、なぜか権力者は素直に位を受け取るんだな。

位、すなわちブランド。

日本人のブランド好きの原点は、ここにあるんじゃないか。

“位打ち”なんてのがあるのは、日本ぐらいだろう。

源義経は、コレでやられちゃったが、秀吉は公家より一枚上手だったのか、

それとも単純だったのかはわからないが、位を良いように使いこなして、

天下人を謳歌したといえる。

で、京という街も人も、権力者を迎えるのもおもねるのも、

実に上手いということで。

もし信長が天下人になっていたら、どうだったろう。

信長は征夷大将軍も、断っていたんだよな、確か。

自分に位を授ける権威など、どこにもない、って思ってたのか。

まるで、自分で自分に皇帝の冠を与えたナポレオンみたいな…。

確実に、秀吉の世とは違うものになっていただろうが、

それが良かったのか、悪かったのか。

ところで、衣装は素晴らしかったが、

気になったのは背景の生け花。

いくらなんでも、

いくら豪華だからといって、

ストレチアはないだろう。

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